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キプロス救済とギリシャの公務員解雇
ユーロ危機がいつまでも解決しません。

解決しない理由の一つは、この問題に対処する当事者たちが経済を理解していないことにあるような気がします(陰謀説を採るなら、分かっていて、わざと解決しないようにしていることになるのでしょう)。

キプロス救済

先月決定したキプロス救済案では100億ユーロを融資する代わりに、キプロスの預金者に負担を求めることになりました。ライキ(キプロス・ポピュラー・バンクとも、CPBとも呼ばれます)という、同国第二の銀行は解体され、10万ユーロ以上の預金は保護されないことになりました。同国第一のキプロス銀行でも、保護枠を超える預金はかなりの割合カットされます。キプロスが破産状態に追い込まれた原因は、これらの銀行が資金をうまく管理していなかったことにあるので、責任を問われるのはある程度仕方がありません。

しかし、金融サービスはキプロスの主要産業です。主要産業だということは、国に多くの税金を納めているということです。100億ユーロを融資するトロイカ(EU、欧州中央銀行とIMF)は、キプロスの主要産業を破壊しておいて、融資した資金をどうやって回収するつもりなのでしょうか?

ちょっと考えてみてください。資金繰りの苦しくなった車会社が銀行に融資を求めたとします。その時、銀行が融資の条件として車は作らないことを要求したりするでしょうか。喉から手が出るほどお金が欲しい車会社はその条件を飲むかもしれませんが、結局倒産して、銀行の融資が焦げ付くのは目に見えています。

銀行が私企業であるのをいいことに利己的な行動を取り続け、国民がその尻拭いをしなければいけなくなる状況を私たちは既に何度も見てきました。日本の長銀がそうですし、アメリカのリーマン・ブラザース(これは銀行ではなく証券会社ですが)もそうです。危機に陥った時に税金で救済しなければいけなくなるような企業は純粋な私企業とはいえませんので、国家が厳しく統制する必要があります(追記:長銀とリーマンは結局救済されずに倒産しましたが、その後の連鎖を止めるために投入された税金を考えてください)。

トロイカがキプロスに銀行セクターを小さくするようにと要求したのはそのためです。しかし、突然に主要産業が立ち行かなくなるようにするのは、国家経営にとって好ましくありません。少なくとも10年ぐらいはかけて、経済ストラクチャを変える必要があります。

ギリシャ救済

トロイカはギリシャでも同じようなことをやっています。ギリシャは、国家公務員を増やすことで、給与という形で国民にお金を渡し、それで市場にお金を循環させていました。ただ、ギリシャの人口に対する国家公務員の割合は、他の先進国の平均に近く、数の多さが問題なわけではありません。問題は、多くの公務員職が、仕事の中身がないまま作られてしまったことです。このため、人の数の割りに、仕事のアウトプットが少ない。仕事の必要がないわけではなく、ちゃんと振り分けられていないのです。

トロイカは、公務員の数を減らせと言いますが、公共サービスはギリシャの重要産業の一つなので、単純に縮小されては困ります。ただ単に頭数を減らすより、ちゃんと仕事の能率を上げて、国家経営に役立つようにするべきです。例えば、ギリシャがビジネス・フレンドリーでない理由の一つに、お役所手続きの多さというのがあります。ならば、お役所がビジネスの手続きを代行するぐらいのことはして、ビジネスに貢献してはどうでしょうか。

特別資産税もまずいです。ギリシャ人はあまり貯蓄志向はないようですが、不動産を買うのは好きで、ヨーロッパでは持ち家率が非常に高い国です(もしかすると一番かもしれませんが、ちょっと記憶があいまいです)。そんな国民に対し、突然、新たな不動産税を作って徴収したことで、銀行口座からお金を持っていくのとほぼ同じような結果になってしまいました。つまり、不動資産への信頼は揺らぎ、ギリシャの主要産業の一つだった不動産・建設関連は全て打撃を被ったのです。

飲食店の消費税を9パーセントから23パーセントに上げたのだってそうです。ギリシャの飲食サービス業界がどれだけ打撃を受けたことか。

産業を潰すようなことばかり続けていては、ギリシャはいつまでたっても債権団にお金を返せるようにはならないでしょう。

南ヨーロッパ諸国に対するトロイカの援助策は、基本的に懲罰の原理に基づいているとしか思えません。理想的な世界に生きていれば、それでいいのかもしれませんが、実際の世界はそう簡単にはいきません。経済に道徳はないのです。南ヨーロッパに対する懲罰を続けて結局貸し倒れるのは債権団です。無策なギリシャの政治家が一番悪いのですが、トロイカの責任者の人たちもいい加減に発想を改めて欲しいものです。





テーマ:ギリシャ - ジャンル:海外情報

ギリシャ雑感 | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2013/04/07(日) 15:56 ]

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