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イタリア、イギリスを経て、今はアテネ近郊の港町ピレウスに住んでいます。

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ギリシャの大気汚染
今年の冬、ギリシャでは薪や炭を使って暖房する人が増えているため、大気汚染が深刻になっています。

日本語のYahoo Newsにもなっていたので(ココ)、ご存知の方も多いかと。

メキシコ・シティーやバンコックのように、息をしているだけで喉が痛くなるという種類の汚染ではないのですが、アテネでは夕方になると、今まで見かけなかった霧のような靄のようなものがでるようになり、実感はしています。

なんでこんなことになっているかというと、
1)今年の冬から、一般的な暖房燃料だった灯油の値段が大幅に上がった、
2)一般的に収入が減っているので、高い灯油を買うお金がない、
3)電気代も高く、また請求書が来るまでいくら使っているか分からないから、使った量が一目で分かる燃料に人気が集まる、
といったところではないかと思います。

ギリシャに来たことのない人や、夏にしか滞在したことのない人は、通年温暖な国だと思っているケースが結構あるようですが、アテネでも冬はダウン・コートが必要なぐらいの気温になります。アテネより北の地方や、例え南でも内陸部や高地では東京や、東京の冬よりも寒いです。

にもかかわらず、ヨーロッパのほかの寒い国とは違い、ギリシャの家屋は断熱性が極めて悪いケースが多いため、冬の間は暖房費用が比較的多くかかります。そんな馬鹿なことがある訳ないと思われるかもしれませんが、この国の建築家はトイレに紙を流せないぐらい細い配水管を据え付けて平気な人たちでしたので(基準が変わったので新しい建物ではそんなことはありませんが、アテネにたつ高層住宅の大部分にあてはまります)、それほど不思議でもありません。

暖房用灯油の値段が上がったのは、輸入価格が上がったからではなく税金が上がったからです。前冬までは、暖房用の灯油には税金がかかっていなかったか、きわめて低く抑えられていたのですが(どっちだったかはっきり覚えていません。すいません。)、財政危機に悩む政府は税収を増やす必要に迫られたため、暖房用灯油にも、車のディーゼル油と同程度の税率を適用することにしたのです。前冬は1リットル0.90-1ユーロだった暖房用灯油が、今冬には1.30-1.40程度になっているので、値上げ幅は30-40%ぐらいじゃないでしょうか(参考 1, 2)。

しかし、ご存知のように不況、失業、増税、給与・年金減額で、ギリシャ人は一般に収入が減っているため、値段が上がった暖房用灯油を容易に買おうとはしません。このため、灯油の消費量は減り、税率を上げたのに税収は前冬より少ないぐらいなのだそうです。

これでは、いったい何のために税金を上げたのでしょうかという疑問が出てきて当然です。

もちろん、もし上げていなくても、人々はいずれにせよ暖房への支出を抑えようとしただろうから、税率引き上げのおかげで減収を抑えることができたと考えることも可能ですが、それでも、突然40%も価格を引き上げなければ、灯油消費の落ち込みがここまで急激なものになることはなかっただろうという感じはします。

ギリシャで今行われている増税政策の多くには、灯油のケースと同様の矛盾が現れてきています。消費税増税がそうですし(特に、外食にかかる税を13%から23%に引き上げたのは愚の骨頂)、電気代の請求書に不動産特別税を加算したため、不動産税だけではなく電気代の支払いにまで滞りが出てきている件、車両税の引き上げで車両の不使用が増えている件などがそれに当たります。

これではいくら税率を上げても、税収は増えず、しかも経済活動が縮小するため、雇用は減り、個人所得税や企業の営業益に対する税金、さらには消費税収まで縮小します。

既に限界であることは分かっているのに、2013年からは多くの人にとってさらに税金が上がり、年金・補助金が減ることが決まっています。財政緩和をする余地がないのは分かっていますが、少なくとも、増税するときには、紙の上で計算するだけではなく、実際経済に及ぼす影響を考えてから行って欲しいものです。ただ、こうした増税の多くはギリシャ政府だけの決定だけではなく、EU、ヨーロッパ中央銀行、IMFからの借款の条件として強制されたものであることがさらなる難問なのですが。





テーマ:ギリシャ - ジャンル:海外情報

ギリシャ雑感 | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2013/01/06(日) 09:40 ]

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