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『ギリシャへの小窓』
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mesogeia

Author:mesogeia
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イタリア、イギリスを経て、今はアテネ近郊の港町ピレウスに住んでいます。

このブログでは、ギリシャ暮らしの中での発見や、ウエッブサイト

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前テッサロニキ市長と元国防相に有罪判決
どこの国にも腐敗した政治家というのはいるものだと思いますが、ギリシャは、腐敗した政治家を処罰しないことにかけては、いわゆる「先進国」の中では断トツだったんじゃないでしょうか。まあ、政治家に限ったことではないのですが、有力者は司法の網から逃れるの普通だったんです。

「だったんです」と過去形で言うのは、最近、有力な元政治家二人が法廷で有罪判決を受けて、収監されたから。

まず、一人目はテッサロニキの前市長ヴァシリス・パパヨルゴプロス。彼は優れたスポーツマンであると同時に医者(歯医者ですが)、しかも見た目もよしと、天は二物を与えちゃったのね、という感じの人物。テッサロニキ市長職は1999年から2010年までの11年間勤めました。

彼が職を退いてすぐ、テッサロニキ市の会計に約5200万ユーロの穴が見つかり、横領の捜査が始まります。また、彼の後にテッサロニキ市長に選ばれたヤンニス・ブタリス(ギリシャの有名ワインメーカー「ブタリス」のブタリスです)は、市の財政を正しく管理しなかったパパヨルゴプロスを公に批判しました。

2月27日に結審した裁判は、このうち1796万ユーロ分の横領の罪を問うもので、パパヨルゴプロスには終身刑という判決が下されました。

パパヨルゴプロスは無実を主張しているので上訴するでしょうし、上級裁では減刑される傾向があるので、終身刑は免れるかもしれませんが、腐敗した政治家に怒り狂っている一般のギリシャ人ですら刑の重さにびっくりしています。

パパヨルゴプロスの共犯として、テッサロニキ市の財政にかかわる役職にあった職員ミハリス・レムーシアスとパナギョーティス・サクソニスにも終身刑の判決が下りました。しかし、横領額が多いので、横領に協力していた、もしくは、見て見ぬ振りしていた人はたくさんいるのではないかと推測されています。

同氏は他の横領や資金洗浄(マネー・ロンダリング)の罪でも告発されているので、裁判はまだ続きます。

(資料)
Wikipedia Vasilis Papageorgopoulos
Kathimerini英語版の記事
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_wsite1_1_27/02/2013_484753
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_wsite1_1_28/02/2013_485139
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_wsite1_1_27/02/2013_484919
AP通信


パパヨルゴプロスはNew Democracy(Nea Demokratia)党の政治家でしたが、有罪判決を受けたもう一人の有力政治家アキス・ツォハゾプロスはPASOKの政治家でした。

彼はアンドレアス・パパンドレウ元首相の片腕で、さまざまな大臣職を歴任し、もう少しで首相になるぐらい高い地位にいた人です(どこかで読んだ彼の評伝によれば、有能だったから有力だったという訳ではなく、イエスマンでヨイショが上手だったからパパンドレウが側近にしたのだそうですが、本当かどうかは分かりません)。パパヨルゴプロス同様この人も見た目がよくて、年取った今でも背が高く、背筋がぴんと伸びていて、かっこいいお爺さんという感じです。

この人が就いた最も高い公職は国防大臣職。この時代に、外国の武器会社から賄賂をもらって、ギリシャにその会社からの兵器を買わせていたのではないかと疑われています。怪しいまれている契約の一件はドイツの会社からの潜水艦購入で、しかもこの潜水艦、欠陥品で使えないという代物だったため、もし本当だったらまさに売国奴ですが、大臣の犯罪は時効が早いという信じられない法律がギリシャにはあるため、これに関しては既に責任を問えない模様。

3月4日に結審した裁判は汚職をめぐるものではなく、自分の財産を正しく申告しなかった罪。汚職防止のため、ギリシャの国会議員は自分の財産を公にしなければならないのですが(ただし、抜け穴だらけの制度で誰もちゃんと調べていないという批判があります)、2006年から2009年にかけて正しく申告していなかったのです。

この罪でツォハゾプロスは執行猶予なしの禁固8年、夫人のヴィッキ・スタマティも共犯で禁固刑、さらにアクロポリス近くディオニシウー・アレオパギトゥー通りにある自宅(よくテレビに写るあの建物、建物全てがツォハゾプロス夫妻所有というわけではなく、あの一部だそうです)を含む財産の一部を国庫に没収されました。

彼は自分の収入や財産が分からないように沢山のオフ・ショア会社を設立し、その間でお金や不動産の所有権を動かしてごまかしていました。これは資金洗浄にあたり、この罪でも告発されています。


(資料)
Wikipedia Akis Tsohazopoulos
Kathimerini英語版の記事
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_wsite1_1_04/03/2013_485621
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_wsite3_1_06/03/2013_486119
http://www.ekathimerini.com/4dcgi/_w_articles_wsite1_1_07/08/2011_401466


このように、ギリシャの政界浄化は進んでいるように見えますが、有力者たちは現在も、年老いて力が弱った有力政治家をスケープゴートにして、古い体制を温存しようとしている疑いも払拭できません。例えば、今週、2008年以前の収入を偽って申告していた人の罰金を80%割り引く(現在は40%)という法案が提出されていたというニュースがでて騒ぎになりました(ソース)。これが通過していたら、ラガルド・リスト(ラガルド・リストに関しては以前の記事参照)の中で脱税していた人たちが恩恵を受けていたことになります。結局、アテネにいたトロイカ代表団に見つかって怒られたため、法案は引っ込められたようですが、こういうのを見ていると、ギリシャの政治家たちは財政透明性の増大に、どれぐらい真剣なのだろうかと疑問に思われるわけです。


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[ 2013/03/15(金) 10:40 ]

「独立ギリシャ人」党の内乱(追記あり)
ギリシャ議会の第四党「独立ギリシャ人」党が空中分解しそうな勢いです。

今、党から出てゆく人たちの話を聞いていると、どうやら最初からずっとおかしかったようですが、爆発したのは昨日20日。

党の議員20人の集会で質問を浴びせられたカメノス党首が途中で出て行ってしまい、残された議員があきれ返ったり、怒ったりとの事件がおきました。

今日11日の朝、党の幹部ヤンニス・マノリス氏がSkaiのニュースでカメノス氏を激しく批判して、事実上離党を表明。その中で、5月の総選挙の後、カメノス氏がパプーリアス大統領に、国防相のポストをもらえるならば連立内閣に参加してもいいという文章(いわゆる「ノン・ペイパー」)を渡したというのは事実だったと暴露。それが真実なのかどうかで、大騒ぎになっています。

その後、党のスポークスマンだったクリストス・ゾイス氏も離党を表明。今のところ同党の国会議員は態度を表明していませんが、カメノス党首の求心力が弱まるのは確実、指針を失った党の存続は怪しい雰囲気が漂っています。

「独立ギリシャ人」党は保守派の反メモランダム勢力だったので、もし党が分解するとどこにも行く場がなく、同党の議員がまだ立場を表明していないのはそのせいもありそうです。

PASOKからも離党者がぽろぽろと出続ける中、ギリシャの政界再編がどう進むのか、目が離せないところです。

<追記>

今日、12月14日、「独立ギリシャ人」党から国会議員のコスタス・マルコプロスとヤンニス・クラコスが離党しました。


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[ 2012/12/11(火) 20:38 ]

コンサート二題

私は熱心に音楽を聴くほうではないのですが、旦那はお祭り好きなので時々付き合ってコンサートに行きます。

先週の土曜日には、グリケリアのコンサートに行きました。

この人 ↓




場所はネア・フィラデルフィアの「ディプラ・スト・ポタミ」というコンサート・ホール。


music287401.jpg


日本で言うところのコンサートではなく、お酒を飲みながら音楽を聴くタイプのホール(ブズキャ)なので、プログラムが始まるのは夜10:30より(実際に始まるのは11時近く)。


グリケリア


立ち聞きだと15ユーロで飲み物一杯付き。椅子が欲しければ、二人で65ユーロが必要です(ワイン一本付き)。


グリケリア


この日のレパートリーはスミルネイカと呼ばれる、スミルナ(イズミール)のギリシャ人の歌、そして、彼女のクラッシックなヒット曲。トルコ人の女性歌手とギリシャ人の若い女性歌手と交代したり、一緒に歌ったり、終わったのは2時。これでも、この手のコンサートとしては早く終わったほう。3時、4時に終わることもしばしばです。

嫌なのはタバコの煙。法律的には公共の場所で喫煙することは禁止されているのですが、その辺はいい加減なギリシャのこと、皆んなぷかぷか吸い放題。おかげで着ていたジャンパーがヤニ臭くなり、洗わなければいけなくなりました。しばらくは行きたくない感じです。




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[ 2012/03/12(月) 23:30 ]

アギイ・テオドリ探訪
今日はカサリ・デフテラですね。ラガナとタラモサラタの準備はおすみでしょうか?うちは、一応ニスティッシモのものはありますが、まじめにニスティアをする予定はないので、かなり形式的です。

      



最近、やっと暖かくなってきたので、週末に出かけるようになりました。そして昨日はアギイ・テオドリイへ。

アギイ・テオドリイはアテネとコリントスを結ぶ線上、アテネから見てメガラの先にあります。アテネ近郊鉄道(プロアスティコス)が通っているので、この辺からアテネに通勤している人もいるみたいです。


アギィ・テオドリ


先週あたりから、この桜のような花が咲いています。とてもよく似ていますが、多分アーモンドです。


アーモンドの木


花も似ていますよね。


アーモンドの花


アギイ・テオドリイ、思ったより大きな町でしたが、レストランやカフェテリアはあまりありません。辺のレストランは2軒しか見つかりませんでした。夏だけ開く店もいくつかあるのでしょうが、知れていると思います。

私たちはMeltemiという店に入りました。ここに写っているのは、ザジキ、サラダ、烏賊、酢漬けの赤ピーマン、パン、白ワイン。


タベルナ



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[ 2012/02/27(月) 09:35 ]

キプロス料理のレストラン「キトロミロ」
金曜日の夜、パノルムー駅辺りにいたので、近くで食事をすることにしました。最近入手したスマート・フォンを使って近くのレストランを検索、前から行ってみたいと思っていたキプロス料理の店が近くにあることが分かったので直行!

ちなみに、以前レポートしたこの店の近くで、周囲には沢山のレストランが集まっています。

古い家屋を改造した店で、インテリアは私の好みです。店の外見や中のの写真は撮らなかったので、このウエッブサイトを見てください。http://kitromilo.gr/ ただ、店の中は冷房がきいていなかったので、ルーフトップのテラス席へ。

紙のプレースマットに印刷してあるメニューから注文。ウエーターさんがかなりカジュアルな格好だったのが気になりましたが、無事に注文は終了(私たちが店を出る頃、ウエイターらしい格好をした人がやってきたので、もしかすると彼はウエーターではなかったのかも)。

最初に出てきたのは以下のもの。左からルンツァ(スモークした豚のハム)のグリル焼き、キプロスのピタ、そしてザジキ。

ギリシャには豚肉ハムの伝統がないらしく、美味しいハムを見つけるのが難しいのですが、これは旨みと甘みのある美味しいハムでした。


kitromilo32010.jpg


ザジキはかなりの量が出てきましたが、キュウリの中にスポンジのような食感のものが混じっていて今一つ。


kitromilo32020.jpg


しおれたキュウリだったのでしょうか・・・


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[ 2011/07/24(日) 02:55 ]

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